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革市通信KAWAICHI COLUMN

ちょっといいモノを毎日に2022年10月21日

季節を楽しむレザーアイテム「ブーツ」

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季節を楽しむレザーアイテム「ブーツ」
スペシャリティストア出身の鎌倉泰子さんが、日本中から集めた本革製品の中から、バイヤー目線、ユーザー目線でレザーアイテムをご紹介します。

コートを着る季節の直前、短い秋にだけ楽しめるファッションが、ニットやジャケットなどの軽めのアウターにストールやブーツ、ですよね。半袖ニットだったりミニ・ミドル丈のボトムスで素肌を出していたりすると、日本の季節を楽しむおしゃれさんなんだな、と思います。ロングブーツがトレンドに戻ってきたけれど、やっぱり便利なのはショートブーツ。日本人の足に合わせた、歩きやすい木型を使っているのはもちろん、日本のライフスタイルに合わせ、「脱ぎ履き」のしやすさも大事です。おしゃれしておでかけしたくなるレザーブーツ5足をご紹介致します。

Webでもイベントでも人気! トラディショナルな雰囲気のこちら

株式会社 ハートビート

クラシカルな印象ながらカジュアル感のあるメダリオンとパーフォレーション(穴飾り)を施した、ウィングチップの本革ブーツです。上から撮った写真だとわかりやすいかと思いますが、少し丸みのあるシルエットでも、ボリュームがあるわけではないので「きれいめ」の雰囲気はそのまま。革の柔らかさを柔軟性のあるクレープソールが手伝って歩きやすく仕上がった、ブランドの人気アイテムです。レースアップですが、内側にファスナーがついていて脱ぎ履きも楽。着脱、歩く時の足首の締め付けが気になって、レースアップブーツを履いたことがないかたに是非お試しいただきたいブーツです。経年変化やセルフケアをした様子を紹介した写真も参考になります。

株式会社 ハートビート

(メーカー:株式会社 ハートビート

メーカーサイトでは、26.0㎝まで取り扱っていますので、男性にもお選びいただいているそうです。レッドかっこいいな!

株式会社 ハートビート

紳士靴に詳しいかたはご存じだと思うのですが、「ウィングチップ」の本革シューズのルーツって、意外なところにあるんですよね。イギリスでのポジショニングと、変化、アレンジされたアメリカでの立ち位置もちょっと違うようですし。ご興味のあるかたは調べてみてくださいね。

抜け感ホワイトを「リバティドット」で

株式会社 東京靴研

(メーカー:株式会社 東京靴研

同じくらいの長さでも、こちらはがらっと雰囲気が変わる総柄です。秋冬の重めのカラーを使ったコーディネイトの時に、1点投入で明るい雰囲気に変えてくれる、白系シューズ。真っ白だと少し夏っぽく感じられたり、厚手の生地を使ったファッションに馴染みにくい時がありますが、この色だったら大丈夫。少し黄味があるアイボリーは、どんな色にも合わせられます。ランダムなドットもマルチカラーなので、その中の1色をウェアに使ってあればOK。きれいにまとまります。高いグリップ力を持ったビブラムソール、2.5㎝のヒールで普段使いしやすいレースアップブーツです。内側のファスナーで脱ぎ履きができます。

ほっこりムード ...AshiOtO(アシオト)のサイドゴアブーツ

150年以上の歴史がある、サイドゴアブーツ。軍靴やアウトドア向けシューズをルーツに持つ他のブーツとは違い、サイドゴアブーツは英国王室が発祥と言われています。が、こちらは気取ったムードはなく、むしろ秋冬のニットや温かそうなソックスに合う、ほっこり可愛らしい雰囲気のブーツです。
一般的なサイドゴアブーツより、少し短めで、丸みのあるトゥのラインが特徴です。サイドだけではなく足首の後ろの部分にもゴムはあしらわれていて、革も柔らかいので、脱ぎ履きの楽さはもちろん、独自に開発した3Dインソールを使って追求されたフィット感にも注目です。26.0㎝までご用意しています。
ロングのパンツやスカートだけではなく、クロップドパンツの時も履ける丈ですね。パンツのボトムかブーツの色にしっかり合わせた色のソックスを合わせると、視線が途切れずにラインがすっきり見えそう。

藤原化工株式会社

(メーカー:藤原化工株式会社

モールドソールって何?

見たことはあるタイプだけど、呼び方を知らなかった「モールドソール」。「モールド」は英語だと「MOLD」。型や鋳型、またそういった型に入れて作ったものの事を指すのですね。お店の内装を手掛けた時に「モールディング」という仕上げをリクエストしていたことがあるので、「モールド」も建築用語かと思っておりました。

株式会社 ティックワールド

ヒールから爪先までのアウトソールが一体化するように、ゴムのような素材で作った「モールドソール」の本革ブーツ。歩く時の衝撃を吸収、分散し、歩きやすいブーツが出来ているのですね。私も足を入れてみました。細めに見えるすっきりしたラインは私にはきついかな、と思ったのですがそんなことはなく、踵は三方から支えられるような感じで、弾むような歩きやすさでした!更に、甲は柔らかい本革で覆われ、レースアップではなく「ゴム」で留めているので、フィット感と「逃げ」があり、甲が高いかたにもお勧めできるデザインです。脱ぎ履きはサイドのファスナーで。
ジグザグに配したアクセントカラーのゴム、どの組み合わせがお好きですか?ステッチを外に出さない作り、丸みのあるトゥが上品です。

写真で見るだけでも「革が柔らかそう!」と、足を入れるのを楽しみにしていたこのブーツ。甲のシワが気にならない ハイヒールのデザイン

株式会社 ハートビート

(メーカー:株式会社 ハートビート

他にご紹介した4足が、ローヒールや特殊なアウトソールで、普段使いを意識したものでしたが、せっかくなので高めのヒールもご紹介したく、こちらの1足をピックアップ。
真っ先に目に入ったのは、甲の部分の「作られたシワ」でした。ブーツ、特にヒールが高めのデザインのものには避けられないのが、甲の部分のシワ。当然、歩く時に一番動く部分なのでシワが入るのはわかるのですが、それが足首を圧迫して疲れてしまう、というご経験をされたかたもいらっしゃると思います。こちらは「足首の動き」をあらかじめデザインに取り込んだように、柔らかい革であらかじめ自然なシワを作ってあります。新しい靴についてしまうとなんだか気になる「履きジワ」が気にならないし、内装も弾力がある素材を使って足を優しく包むよう。軽さにも驚きました。
ヒール高はサイズによって微妙に違い、5.6㎝から6㎝です。見た目重視のハイヒールよりは少し低め。足への負担を考えた6㎝ヒールの本革ブーツは、スタイルもよく見えて背筋が伸びますね。

今回もお付き合いありがとうございました。4足のブーツ、気になるものはございましたか?ふくらはぎ以上の丈になると、脚のカーブや普段お選びになるスカート丈など気になる要素も出てきますが、今日ご紹介したような短め丈は、オンラインでも比較的選びやすい長さです。ソックスやタイツと合わせて、豊富なカラーをお楽しみください。
この記事がアップされる翌週、10月26日(水)から「日本革市」はなんと東海地方2ヵ所で同時開催です!お近くへお越しの際は是非お立ち寄りくださいませ。私は名古屋・LACHICにおります。日本革市、久しぶりにご出展されるメーカーさんもいらっしゃるので私も楽しみです。

皆さまがお持ちの靴で、一番長持ちしているものは何年モノですか?私はちょうど30年!というブーツがあります。ブラックの牛革で、内装はキャメル色の牛革。ファスナー無しの14ホールなので、脱ぎ履きは楽ではないですが、もともとブーツ類はファスナー無ししか履いたことがないので慣れたものです。一度カビを生やしてしまい、プロの手に任せる大がかりなケアが必要な時がありましたが、その他は自分で磨き、アウトソールを取り替えたりなどして履き続けています。
このブーツは長持ちさせていますが、修理もできない程になってしまい手放した靴もあります。その経験からすると、「型崩れ+乾燥」のダメージが、本革シューズにはツラいようです。どちらかだったらなんとかなる!のですが、ダブルでくると駄目っぽい...。履いたままのクセやシワが深くついたままそこが乾燥すると、亀裂が入ってしまったりするのですね。そうするとプロにももう直せない場合もあるので、さよならすることになってしまうのです。

鞣しや染色方法で、使うべきケアグッズも違います。最初から色々はできないので、クリーニングと保湿が一緒にできるオールインワンのケアグッズを使うところから始めてもいいですし、重厚感のあるかっこいいデザインケアグッズを揃えて、形から入るのもひとつの方法。私は後者でした。ショップのかた、百貨店などの修理カウンターのかた、靴修理専門のショップのかたなどに、時にはセカンドオピニオンを求めながら、お持ちの本革シューズのケアを楽しんでくださいね。日本革市Webサイト内コンテンツ「日本の革の良さを知ろう」「革の基礎知識」の最後の項目「革製品のお手入れ」も是非ご参考に。素材別でご案内しています。

次回の11/25(金)の革市通信は日本革市人気アイテム特集です。
お楽しみに!

文/鎌倉泰子

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