女性のお出かけは何かと荷物が多いもの。お出かけしてもお仕事に行っても、帰りはちょっと寄り道をしたり食料品を買ったりと、行きと帰りでは「?!」となるほどお荷物が増えていたりしませんか?あとは、「備え」としての持ち物もありますよね。過酷な日本の夏は美容の敵だし健康を妨げるから、日傘や飲み物も持っておきたいし、寒暖差に備えて羽織りモノも持っておきたいし...。
そう考えると、容量があり、すぐに出す小物を入れるポケットがついていれば、あとは自由度を持ってどんどんモノが入る「トートバッグ」が人気なのがわかります。「天ファスナー」と言う、開口部がファスナー仕上げであれば、その上に更になにか置けたりもするのですから!
4ヵ月ぶりの「革市通信」。昨年の「みんな大好き!トートバッグ8選」に続き、トートバッグ特集です。
開口部に注目 この時期必需品の「羽織もの」が置きやすい!
雨の日のお出かけにも心強い、「モンスーンレザーⓇ」を使ったトートバッグ。革表面への撥水加工と革内部への防水加工をした、エールック株式会社とタンナーが開発したオリジナルのレザーです。
広めにとったハンドルは腕を通しやすいですし、サイドポケットも口が大きく、パスケースやスマートフォンは、出し入れがしやすくなっています。上の開口部は窪んでいてファスナーでの開閉式なので、閉めた時はその上に脱いだカーディガンやジャケットなどを置いて肩にかけられる...とても使いやすそうですよね。
ラフな私服がOKな職場だったら、通勤にも使えそう。とても軽くて、大きさは14インチほどのPCに対応できるサイズです。内側は色柄が楽しいアフリカンテキスタイルです。柔軟性が高いので、お荷物の出し入れや整理もしやすく、お仕事帰りにお買い物をしてお荷物が増えても安心!
潔いソリッドな1つ 表情のある馬革軽量トートバッグ
これ、よく見ると、上のトートと外側の「見た目」はほぼ同じ作りなんです。でも、軽さ、柔らかさを追求したエールックのお品物とは違い、こちらはきりっとした佇まいに仕上げる為に、目に見えないところに様々な工夫がされています。まぁそのお話は製品の詳細ページでご覧いただくとして...。
要素をマイナスしたことが、結果的にプラスに働いて目をひいているこちら。何が無いのかわかりますか?そう、単色で仕上げたこととの他に、「金具」が一切見えないようなデザインにしてるんです。ステッチももちろん目立たない同色ですし。開口部のファスナーは中に下がっているので見えませんし、ハンドルも金具を使わずに芯材とステッチで強度を保っています。根元がそのまま下に伸びて、バッグのボディをしっかり支えています。「ワンポイント」さえないこの潔さが、逆に「ブランド」としての価値を作っている1品。素敵ですよね!
ブラック、ブラウンはビジネスシーンにはもちろんお使いいただけますし、重いものを入れる想定で作っているのでPCを持ち歩くかたにもお勧めできます。ブルー、レッドも発色がよくきれいです。年齢、性別に関わらずお選びいただいている、「azzuni」の人気トート。もう一回り大きいB4サイズもございます。ジャケット、スーツスタイルにはこちら、ですよね。
カジュアル感のある素材のトートも、2種のレザーで使うシーンを増やして
ハンドルなどにあしらわれた少しツヤのあるレザーの色で、雰囲気が大きく変わる3種類。「きれいめ」ならネイビー、総柄のお洋服に合わせたり、濃い色のスタイリングにプラスして抜け感を出すならホワイト、かわいいレッドの3色です。A4サイズのものを入れる場合はファスナーを開ける必要がある、少し「低め」の縦横バランスですが、だからこそ容量もあるこの大きさ、マットな素材でも軽快な印象が作れるというもの。メーカーサイトを見ると、女性のおでかけの持ち物がしっかり入る収納力がわかります。
「日本革市」の会場で素材を展示していると、皆さま触ってみて驚かれる本革がこちらのデニム調レザー。 新品のライトブルーのデニムのように見えますし、デニムのような「当たり」が出てくるのですが、型押し加工をした牛革を少しだけ起毛させて風合いを出した珍しい素材です。見た目も触り心地も布のようですが、コシのある牛革ですし、サイドの縦のライン、底部にはしっかりとした革を縦横で使い、型崩れしにくくなっています。
スマートな縦型がおしゃれ 人気のピンクシルバー
ひと目見たら忘れられない、ヌメ革のベージュを活かしたパールがかったシルバー色。「エイジング」とも「経年変化」とも違うような思わぬ表情を見せてくれる、素材を楽しむ加工です。あえてシルエットをラフに見えるように作ってあるので、個性的な色でも気負わずに使えそう。正面からはステッチが一切見えないように、内側でL字のパイピングで形作っています。
肩にかけてもつ長さなので、開口部はファスナーではなくスナップボタン一つで留めるタイプ。肩にかけて脇にはさむだけでもそれだけでも安心ですよね。裏地も芯地も無く柔らかいので、ご旅行の時などには畳んでトランクに入れられます。エコバッグ感覚でも使え...ってそれはちょっと贅沢!ですね。
ゆったりパンツやボリュームのあるスカートスタイルの時、すっきりした「Iライン」を作ってくれる縦型トートバッグ。スタイリングに1ヵ所「光る」アイテムがあると、甘め、ユルめのコーデでも、「おでかけスイッチ」がちゃんと入ったルックスに。ノーメイクに「リップ」をプラスした時のような、「1点投入」で「映える」自分になれますよ。
以前にもお話したことがある「トートバッグの定義」からは離れているのですが、この季節に特にかわいいバッグを1つご紹介させてください。
パンチングがかわいい超軽量レザーバッグ
東京は5月に見頃を迎えていた「紫陽花(あじさい)」。皆様のお住まいの地域にも咲いていますか?こちらのバッグ、パンチング加工で柄が描かれているのですが、この季節に見るとなぜかそれがそれが紫陽花みたいに見えてかわいいんです。
容量たっぷりでこちらも軽量。口が大きく開くので中が見やすいのも人気の理由のひとつですが、ちゃんとスナップボタンはついています。こちらでの写真にはありませんが、定番ブラックからヴィヴィッドなオレンジまで、色は全部で7色。メーカーサイトでご覧いただけます。
暑くなってくると、大きなバッグを持つのがなんとなく嫌、というお話も聞きますが、減らせない荷物は仕方ない。夏のファッション、通勤や休日のライフスタイルに合う「トートバッグ」を是非1つ。2024年6月21日現在、「日本革市」Webでは60個弱の「トートバッグ」を掲載中。これからまだまだ増えますよ。「Japan Leather Item」を下のほうまでスクロールして、「トート」または「トートバッグ」でキーワード検索してみてください。
これを書いている今は、郡山「うすい百貨店」で開催されている「日本革市」のイベントから帰ってきたばかり。イベントスペース他のリニューアルと上階の併催催事も相まって大盛況でした!ご来場ありがとうございました!この後の開催は8月以降。詳しくはこちら「開催情報」をご覧ください。では夏に「日本革市」、どこかでお会いしましょう!
<JIS(日本産業規格)による「革・レザー」の用語規定の見直し>
待ってたよ!(涙)「本革」を扱うクリエーターの方々と、SNSなどで喜びを分かち合いました!JISは革・レザーを「皮本来の繊維構造をほぼ保ち、腐敗しないようになめした動物の皮」に限定、「人工的な材料の名称として使用してはならない」と定義した、というニュース。当然私は「レザー」と聞けば動物性のものと思って見ているのに、手に取って製品の説明を読みながら何かを選ぶ時でさえ「これがレザー?!」となって、最終的には「臭い」を嗅いで判断する羽目に。オンラインともなると、「レザー」と書いてあるのに、説明をよーく読んでいくと後のほうに「レザー風」とか「本革調」とか書いてあって、革業界にいる者としてはちょっとモヤっとしていたものですから。詳しくはこちら。
これは決して合成皮革や人工皮革よりもレザーが良いと言っているのではありません。ファッションや使い方のそれぞれに適したものを、皆さまが正しく選べるようになってほしい、という業界の願いでもありますし、一消費者としてこの「罠」的なものなんとかなんないの...と思っていたところの良いニュースなのでした。「本革」に関わる企業様だけではなく、色々な業界ちょっと前に進んだ気がしています。
それでは、また。
次回の「革市通信」は7/26(金)、「ワンピースに合うバッグ」のご紹介です。お楽しみに。
文/鎌倉泰子