素材から作りまでメイドインジャパン。
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日本の皮革製品メーカーMaker

海外でも喜ばれる機能的な製品が魅力
エールック株式会社(香川)

1オリジナルブランドを2つ展開

香川県の東端にあり、北に瀬戸内海、南に讃岐山脈を望む東かがわ市。地場産業としては手袋が有名で、国内シェアの90%を占める。
80年以上の歴史があるエールックも、創業当初は革手袋の製造からスタート。70年代半ばになるとバッグや袋物の製造がメインとなり、時代の流れとともに製品をアップグレードさせてきた。
業務の中心となるのはOEMだが、2007年に「LoveHands(ラブハンズ)」、2013年に「WOGNA(ヲグナ)」というオリジナルブランドを立ち上げ、センスあふれる製品を製造・販売するようになった。ちなみに、ラブハンズは長田ひとみさん、ヲグナは長田篤樹さんがディレクターを務めている。
「ラブハンズは、バッグ用に裁断した革の余りを有効に使おう、ということで始まりました。どんぐりから抽出するタンニンでなめしたどんぐりレザーを使い、ハンドメイド感のある革小物をつくっています。ヲグナは創業80周年の年にスタートしたブランドで、おもにオリーブレザーを使って機能性のあるバッグなどをつくっています」(篤樹さん)
初めて聞く単語だが、篤樹さんの言うオリーブレザーとは、一体どんな革なのだろうか。

2オリーブレザーとマーブルレザー

「オリーブは香川県の名産品です。タンナーさんはタイコに余分なものを入れるのを嫌うとは思ったのですが、30年来の付き合いであるモリヨシさんに頼み込みました」
モリヨシは、兵庫県たつの市にあるタンナー。篤樹さんの依頼を受け、試行錯誤の末にオリーブオイルを使った革を完成させた。特長は、「柔軟性やツヤという面で期待ができ、保湿成分が革を長持ちさせてくれる点です」。このネーミングなら、香川のメーカーであることもアピールできる。
また、最近もモリヨシに依頼して防水・撥水効果のあるマーブルレザーを開発。革をなめす際にスコッチガードを混ぜているそうで、半永久的に抜群の効果が期待できるという。革そのものが薄く、軽量化に成功しているのも強みだ。
「先日、台湾の展示会に参加した際、この革でつくったバッグを使ってデモンストレーションを行いました。水やオイルをかけてもすべて弾く様子に、現地の人も感心してくれたようで、反応は上々でした」

3自信を持って「日本製」と答えられる

国外でも高評価を得たというエールックのプロダクト。近年はジャパン・レザー・プライド・タグを申請し、メイド・イン・ジャパンの革であることを広く伝えている。
「催事などで売り場に立つと、『どこの革を使っているの?』という質問がよくあるんです。台湾でも結構聞かれました。そんな時にこのタグがあれば、日本の素材を使っています、と自信を持って言えます」
海外のプロダクトと比較した場合の日本の革製品については「一枚一枚個性の異なる革をうまく仕立てる柔軟性がある」と話す篤樹さん。人に喜ばれるものづくりを、これからもずっと続けていくつもりだ。

2018/3/13 公開
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