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日本の皮革製品メーカーMaker

馬革を使ったシンプルで機能的なプロダクトが好評
株式会社 Spica Products(兵庫)

1革や職人の息づかいが感じられるアイテム

Spica Products(スピカプロダクツ)の代表を務める伊藤由紀子さんは、姫路皮革製品推進協議会が皮革縫製技術者の育成を目的として設置した『革工房BAIMO』の出身。2012年には、この場所で出会った2人のメンバーとともに「Unite(ユナイト)」というユニットを結成し、同名ブランドを立ち上げた。
当初は工房を借りてOEMを請け負っていたが、その後、姫路市内に店舗兼工房をオープン。2017年には、新神戸駅より徒歩5分という好立地にショップを移転し、さらにファンを増やしつつある。ユニットとしてのUniteは3人が独立するかたちで発展的に解消したが、ブランドは伊藤さんが引き継いでいる。
「Uniteは、シンプルなデザインで使い勝手が良く、少しだけ遊び心のあるプロダクトを理想としています。いつも気を配っているのは、縫製を丁寧にすることと、革の風合いを引き出すことです」
また、近年はUniteとは異なる新たなブランド「Respiro(レスピーロ)」も展開。ブランド名はイタリア語で“息吹”を意味するそうで、キズやシミを活かした、革や職人の息吹が感じられるバッグをつくっている。

2タンナーとの密なやりとりで理想の革を追求

Uniteのプロダクトは馬革を使った鞄がメインだが、その革は姫路のニッタから仕入れている。
「レザーを使った鞄は重いというイメージがありますが、お客様と話していると、軽いものが欲しいという要望が多くあります。そこで、軽くてやわらかいニッタさんの馬革を使わせていただいています。ニッタさんが近場ということで直接打ち合わせもできますし、小ロットやオリジナルの色にも対応していただけるので、とても助かっています」
なかでもとくに人気のあるのが、神戸セレクションにも選出された「BOTAS(ボタス)」シリーズ。革水筒をイメージしたというやさしい手触りのショルダーバッグで、3サイズ6色をラインナップ。また、口元を巻いてホックで留める「roll(ロール)」シリーズや、型押しの方を使った普段使いに最適なシングルハンドトートバッグも好評。どのプロダクトもさらりとユーモアが利いている。
「馬革は体への馴染み方が特徴的で、新品の状態でも十分やわらかいのですが、使い込んでいくとさらにソフトになっていく感覚が味わえます。手触りもとても良いですね」

3ジャパンレザーの強みは品質の安定性

現在は馬革をメインに使っている伊藤さんだが、ジャパンレザーへの信頼度は厚い。 「日本の革は、やはり使っていて安心感がありますね。色落ちしにくいし、品質がとても安定しているように思います」
そんなジャパンレザーのブランディングに役立っているのが、ジャパン・レザー・プライド・タグ。伊藤さんもタグの存在は意義があると捉えているが、「タンナーさんの名前が表示されていると、よりアピール力が高まる気がします」と、アイデアを語ってくれた。
今後も、ジャパンレザーを使っていきたいと考えている伊藤さん。メーカーの代表としては、どのようなヴィジョンを描いているのだろうか。
「やりたいことはたくさんあります。まずはUniteやRespiroを全国に広めていきたいし、新しいブランドも立ち上げたいです。それと、プライベートでアウトドアが好きなので、キャンプで使えるレザーアイテムも考案しています」
ものづくりに対する真摯な思いが印象的な伊藤さん。その夢は、さらに広がっていきそうだ。

2019/11/13 公開
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