11月の「自分へのギフト」に続き、12月も「日本革市」でプレゼント選び。久しぶりに会う友人やご家族に、レザーアイテムを贈るのはいかがでしょう。今はオンラインで何でも自分で探せる時代。とはいっても、これだ!というものを見つけるのは簡単ではありませんよね。そんな中でも、素材の「個体差」を出会いとして楽しむことができるのが「本革」です。
今回は、革じゃなくてもいいけれど、革だったらもっと楽しい!というような、普段使いするものだけれど、小さな贅沢感と特別感のあるものを選びました。毎日そばに置いて長く使うことができるもの、素材の変化を「劣化」ではなく味として楽しめるような、そんな8アイテムです。
「何か」の時のために 「ちゃんとしてるベルト」を1本
「JAPAN LEATHER ITEM」でも、デニムに合いそうなヴィンテージ風の仕上げをしたものからダークカラーのスーツスタイルに合うものまで、ベルトの掲載は増えてきています。その中から、特にベーシック、便利な1本を。
ベルト本体の帯状の部分をふっくらと盛り上げた立体感、きりっとした表情を際立たせる正確なステッチとコバが美しい、シンプルなベルト。「神は細部に宿る」とよく言いますけれど、この佇まいは「それ」そのもの。尾錠がなく、ベルトループがあるパンツには、必要がなくてもベルトをするのがメンズウェアのマナーのひとつですから、きれいめベルト1本は持つべきアイテムです。
春に新しいライフステージに進むかたや、ご就職のお祝いにぴったりのアイテム。ブラックに比べ、明るめのブラウンはカジュアルな印象。出番の多い本革シューズの色に合わせるのが使いやすく、無難です。その他の「ベルト」はこちらです。
モノトーンなら思い切って柄物で「印傳」
お財布のトレンドに合わせて、若干の大きさの変化がありながらも定番アイテムとして定着してきた「スマホショルダー」。無地が使いやすいのはもちろんですが、「柄物」もおしゃれ。気分転換にもいいのでは?ご自分で選んだものはきっと使い慣れた色柄だと思いますので、思い切って少し個性があるものを贈るのはいかがでしょう。例えばこちらでしたら、小さめの柄、落ち着いたトーンですから、ファッションの邪魔もしないので使いやすい。お勧めの一品です。小さめの柄、落ち着いたトーンで、ファッションの邪魔をしないはず。
アクセントカラーにする?それともベーシックカラー?
スマホショルダーよりは大きめで、お財布機能があるものだと、使い道はまた変わります。バックパックを持つ時、お荷物が多いかたなどが、「すぐに出したいものをまとめたい」時にはこちらくらいの大きさがよさそう。通帳やパスポートも無理なく入れることができますので、経費の管理やご旅行のお供など、パーソナルな使い方を見つけていただけると思います。
お色は下記のほかにもあり全6色。ショルダーストラップはバックルをスライドさせて長さを変えるタイプですから、どんなボリュームのウェアにも合わせて調整が可能です。このサイズなら、アウターの中に斜め掛け、もできそうですね。
レザーアイテムのギフトの定番?とも言えそう 「メガネケース」
「日本革市」のどこの会場でもお探しのかたがいる「メガネケース」。大きめサングラスにも、リーディンググラスにも対応できる、色々な大きさがあります。
前回の「革市通信」でご紹介したような、ファスナー付きのものの他、小さくて軽いリーディンググラスに向いていて、ストラップがつけられるような上の黄色いもののような形や、ちょっと大きなポーチのようなものなど。鼻当てを支えられるものや、ハードタイプなど、その他のメガネケースはこちらから!ペンケースやポーチとしても使えるものもあります。
何にするか迷ったら、とりあえず「ポーチ」
...じゃだめかしら?笑 今やお財布の代わりにポーチを使うかたもいらっしゃいますし、出張が多いかたやカフェワーカーのかたはPCアクセサリーを持ち歩きますし...。お化粧ポーチの他に、ハンドクリームやリップなど出番が多いメイクアイテムだけ別にする、という使いかたもあります。
ご紹介する2種類のポーチはどちらも「鹿革」ですが、ひとつは総手縫いで鹿革のふんわり感を残したもの、もうひとつは伝統技術を使った「甲州印伝」のもの。風合いが全く違いますが、どちらも長く使い続けていくうちに表情を深めていく素材です。
印伝はこちらのように大胆な色柄を使ったものの他、伝統文様、同系色など、色々な種類がございます。「印伝」が何かはご存じのかたでも「こんなに種類が色々あるの?!」ときっと驚かれますよ。女性にも男性にも喜んでいただけるアイテムなのは私が実証済み!メーカーサイトでぜひご覧くださいませ。
自己紹介には「やっぱり」本革名刺入れ、でしょ
少し話が逸れるのですが...。2、3年前にとある展示会で名刺交換をする機会に「これから紙の名刺は減りますから。データであとで送ります。」とおっしゃったかたがいました。その時は、そうかもしれないとうなずいたのですが、「そうでもなくない?」というのが今の正直な感想です。
革ブランドでお仕事をしていると、「名刺入れを探しています」とおっしゃるかたは特段減った気はしませんし、名刺入れを「カード入れ」として使うかたもいらっしゃいますし、コロナ禍を経て、複数のお仕事をされるかたは複数の名刺入れをお持ちです。私もそうですもん!
イエローは朗らかで感じがよく、ネイビーは誠実さと安心感を見る人に抱かせます。落ち着いているけれど、個性も感じられるようなグレー。色が持つイメージを大事にすれば、ビジネスシーンでの活躍を応援してくれるアイテムになります。
今年の革市通信はこちらで最後。1年間お付き合いくださいまして、ありがとうございました。皆さんの今年1年の1番のニュースはなんですか?私は、「日本革市」だけに留まらない、今までお請けしたことがないお仕事を今年幾つかできたことなのですが、革業界にも大きなニュースがありました。それは、3月にJIS(日本産業規格)で「革」「レザー」と呼び、表記していいのは「動物由来のものに限定する」と決まったことです。
オンラインで「革」「レザー」と検索した時に、「PVCレザー」「エコレザー」など、色々な「レザー」が出てきて、「本革が好き」なかたが考え、探している「革」の定義はどうなっているの?と思っていました。本革アイテム専門のサイト以外だと、「レザー」と検索しても、探しているものになかなか出会えないという経験をしているかたは多いのではないでしょうか。それが、今年「動物由来のもののみ」と決まったことで、一度に、とはいかないのかもしれませんが、「本革」がどういったものなのかより皆さまにわかりやすくなりますし、探し物もしやすくなると思います。以前の「革市通信」でもお話しましたが、人工素材と動物由来の「本革」の良し悪しのお話をしたいのではなく、素材が「適材適所」で使われることを望み、探しているものを最短で見つけることができるようになるのが私たち革業界に身を置く者の願い。皆さまのライフスタイルにぴったりの「レザー」に出会えるよう、「日本革市」Web、SNSを是非ご利用ください。
素敵な靴が素敵な所に連れていってくれるのはメンズシューズもハイヒールも変わらず。なんなら「名刺れ」も「目指す場所」に連れていってくれそうです。
次回、1/17(金)の革市通信は、「JAPAN LEATHER ITEM 2024年のランキング」特集です。
それでは、また。よい12月、年末年始をお過ごしください。
文/鎌倉泰子