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年明け、新年を迎えるのと同時にお財布を新調するかたと、3つの吉日が重なる2025年3月10日に合わせて新調するかたもいらっしゃる「春財布」。修理やアフターケアが万全な日本製のお財布を、壊れてしまうまで何年も大事に使い続ける派も、気分転換に幾つか用意している派も、バッグやウェアに合わせてファッションアイテムとして揃えたい派も、各ブランドが新作やイチ押しを見せてくれるこの時期は、お財布がちょっと気になってきますよね。
というわけで、掲載アイテムが600点を超えた、「日本革市」Webに掲載されたレザーアイテムの中から、素材や色など「鎌倉目線」でピックアップしました。持つ人のスタイルに合った機能があってのお財布ですが、せっかくの「本革」ですもの。素材で選ぶのもいいかな、と思いこの8つです。では最後までどうぞお付き合いください。
素材を楽しむオーソドックスな長財布
小さなバッグに合わせて使うミニ財布は、そのファッション性や細かい機能性で選ぶのが楽しいですが、やはり長財布には長財布の良さがあるもの。お札を折らなくてよい、中身が一目ですぐわかることももちろんですがもうひとつ、「素材」で選ぶのもよいものです。お財布は毎日手で触られ、ポケットやバッグの内側の「布」で磨かれていますので、こうしていつの間にか美しいツヤが出てくるのが本革財布を使う醍醐味です。
本革素材のエイジング、「自分仕様」になっていく過程を存分に味わうなら、シンプルな長財布。大きく素材を使った「ラウンドジップタイプ」や「束入れ」タイプがお勧めです。
「栃木レザー」の中でも高い堅牢度を誇り、馬具にも使用されている「ハーネスレザー」の長財布と、「新喜皮革」のコードバンを「レーデルオガワ」と「yuhaku」の職人が仕上げたグラデーションカラーの束入れ。全くタイプの違う経年変化を辿る2つです。どちらも色展開が豊富です。
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(メーカー:株式会社 和宏)
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(メーカー:株式会社 ユハク)
ビジネスシーンで愛される「ネイビー」、緊張感のあるこの佇まいは、春に新しいライフステージに進むかたへのギフトにもお勧めできます。
コインも紙幣も、レシートも。大容量ならこれ
オイルをたっぷり含み、しっとりとした質感とコシのある姫路産の牛革を使った、フラップ付きの長財布。中が3つに分かれていて、近頃の長い領収書の整理もできますし、コインスペースのファスナーがL字になっているので大きく開き、全ての中身が取り出しやすいところが特徴です。2025年も注目色のひとつとなっている「グリーン」のご用意もございます!
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(メーカー:株式会社 ふく江)
所作も上品になりそうなセット使い
カードの使用が多く、ポケットに入れても気にならない大きさということで、今まであまりなじみのなかった若い年代のかたにもシェアが広がってきているものが「マネークリップ」。小銭も0というワケにはいきませんから、せっかくならコインケースはお揃いで。
エナメルのような光沢のある特殊な加工を施して手磨き上げた「キップ(子牛革)」のマネークリップと、ラッキーモチーフとしても知られる「馬蹄(ばてい)」の形をしたコインケースです。
この大きさでも紙幣はそのままで
こちらのお財布の注目ポイントは2つ。1つは「3つ折りサイズ」にも関わらず、お札を折らずに入れることができます。仕切りの下を滑らせるように入れます。カードも10枚程が入り、長財布に劣らない収納力です。もう1つ、見ていただきたいのはこの素材。「革の黒ダイヤ」とも呼ばれている「坂本商店の黒桟革(くろざんがわ)」の紫バージョン。「杜若(かきつばた)」という色です。黒と同じく漆を使っているので、使っていくうちにきらきらとした輝きを帯びてきます。
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(メーカー:株式会社 京でん)
経年変化が楽しめる素材のものを5つ紹介したあとは、小さくて機能的なこちらを。
鍵もICカードも マルチパスケース
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(メーカー:有限会社 野村製作所)
これ1つでお出かけ。財布の機能にキーケースとパスケースの機能をプラスした、手のひらサイズのマルチケースです。三つ折りの紙幣を入れることができ、コインスペースも分かれているので使いやすそう!写真の5色におしゃれなトープを加えた全6色。ギフトにも喜んでいただけそうです。
ここまで7種類、大小、素材や機能にフォーカスしたお財布をご紹介させていただきましたが、巳年の今年はこれもはずせないよね!
ダイヤモンドパイソン 極薄長財布
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(メーカー:株式会社 高屋)
ダイヤモンドパイソンに、粒子の細かいドット柄の箔をのせ、華やかな表情を出した蛇革財布。全体的にフィルムを貼ってしまうのではなく、ゴールドまたはシルバーの小さな粒だけがのっている状態なので、蛇革の色ツヤの変化は期待できます。
蛇の「脱皮」が「再生」の象徴とされ、繁栄や成長に例えられることから縁起のよいものとして考えられている蛇革のお財布。私も長らく使っていましたが、とにかく丈夫!だったのもよかったし、家畜の革とは違う爬虫類の革の変化を追うのはとても楽しかったですよ。他にもこの革を使ったお財布類は幾つかありますので、是非こちらもご覧ください。
素材と機能にこだわった日本製のお財布、興味を持っていただけましたでしょうか。「日本革市」Webは、素材からの検索、もっと遡って、その素材を作っている「タンナー」からも検索して製品を探すこともできますので、そちらもご利用ください。「JAPAN LEATHER ITEM」からすぐに「革の種類から探す」「タンナーから探す」をクリックしていただければ簡単です。
次回の「革市通信」はもう少し温かくなってから。
暫く期間が空きますが、寒さに負けず良い春をお迎えください。
それでは、また。
文/鎌倉泰子