2月まではブーツの日もあって、3月、4月はパンプス、ゴールデンウィーク前にはもうサンダル...と、四季がある日本で、特に女性の靴のおしゃれは楽しいものです。晴れやかな気持ちでおでかけしたい4月、まだ肌寒い日があってアウターを着ていても、素肌やソックスが見える「春のシューズ」に変えるだけで、いつもの装いも軽やかに。
「日本革市」でご紹介している革製品は、お財布やバッグが多い印象をお持ちかも知れません。でも、幾つかシューズメーカーもあって、Webサイト、イベントに出品しているんですよ。神戸は靴の産地として有名ですし、トップアスリートのシューズを作りながらその技術を活かし、本革レディースシューズを作っているメーカーもあります。その中から、今回は今の時期にお勧めの6足をご紹介したいと思います。
ストラップシューズも甘さで推さず、トラッド風に振ると...
可愛らしく、甘い印象になりがちな「ストラップシューズ」を、7㎝の高さがあっても安定感のある太めのスタックヒールとメダリオンでトラディショナルな雰囲気に仕上げてあります。写真のマロンブラウンは本体とヒールの色が違うので、ブラックやチョコと比べるとややカジュアルな印象です。素足でくるぶしを見せて履くと、抜け感のあるコーディネイトが仕上がりそうです。
弾力のあるインソールは、ヒールが高い時には本当にありがたいですよね。トゥも丸みを帯びていながらスクエアなので、足指も楽なはず。
モンクストラップシューズ 露出少なめで安定感のあるストレートヒール
ダークカラーのファッションがお好きなかたは、春といってもまだ少し落ち着いた印象のファッションをされているのでしょうか。そうすると、明るい色のシューズや素足の甲が大きく出ているものだと、少しバランスが取りにくいこともあるかも。そんな時はこちら。素材はやはりきちんとした印象のあるレザー、ストレートヒールのモンクストラップシューズです。
先にご紹介したストラップシューズと同じ木型のデザイン違いです。ヒールが高くても、アッパーは甲を包んで前に滑ったり姿勢が傾くのを抑え、しっかり足についてきてくれます。ブラック、マロンブラウンを含む3色展開で、ベーシックカラーのモンクストラップをおしゃれにアレンジした1足です。横から見た時もきれい!
4Eシューズ ふわっと楽ちん、ヒール高5.5㎝
低反発クッションとエアが入ったアウトソールで、ふわっとした足入れ。ソールとマジックテープのスポーツテイストに、丸みがあって女性らしいアッパーのデザインという他には無い組み合わせに、お買い物には慎重な私も一目惚れ。このカラー展開の中ではイエローは主役級になるので、もう「合うお洋服は後で考える!」という感じ。ヒール高は5.5㎝あるので、視線が分断されがちな膝丈スカートでもバランスとりやすくて気に入っています。あとは、ボリュームがある、少しリラックスした雰囲気のパンツに合わせることが多いかな。ゆったりした足入れの4Eシューズも、素材は本革、高めのヒールだときちんと感や女性らしさが出るので、「ゆるコーデ」の時でも大人っぽく仕上げられますよね。定番ブラックはもちろん使いやすそうですけど、グレイやイエローなど、アウトソールとのコントラストがあるものを選ぶとカジュアルなデザインが引き立って、一味違うコーディネイトができそう。
踵は小さいのに幅はある、という、靴職人さんに同情されるほど靴選びが大変な私の足にぴったりのデザインで、足首はストラップで固定できるのに、足指のあたりは楽。聞けば4Eほどの幅があるかた、外反拇趾のかたにも選ばれているデザインだそうです。甲の履きくちもプリーツが寄せてあるので、むくんでしまった時もそれがめだちにくく、ご帰宅まできれいに履いていただけます。
ハイヒールは足首きゅっ! 颯爽としたジャケットスタイルにも、エレガントなドレスにも
同じメーカーのハイヒールではありますが、こちらは普通幅の2E。ヒールも7㎝あります。でも、アッパーが甲をしっかり覆っているので前滑りを防いでいますが、少し肌をのぞかせることで「ハイヒール」の華奢な印象は失わない、というデザイン。ベルトはスナップボタンなので脱ぎ履きもスムーズ。内装にはパール調のワイン色の革。脱ぎ履きの所作も脱いだあともエレガント、ですよね。横から見ると細いヒールに見える、という長方形のヒールも、このデザインにぴったりです。
シンプルハイヒールからチャレンジ!デスクワークスタイルに本革ハイヒールをプラス
電車で立ちっぱなしで通勤に、にはすぐにはお勧めしませんが、来客に備えた「置きジャケット」ならぬ「置きヒール」など。ちょっと気合をいれたい時に履きたい、シンプルなブラックのハイヒールです。
細長く丸みのあるオブリークトゥで、美しさと履き心地の良さを両立。履き口は開きすぎず、フィット感も保っています。インソールも、指先には余裕をもたせ、指の付け根と土踏まずはふわっと支える弾力があります。ヒールは7㎝で、太く安定感があっても地面に向かって少しシェイプさせ、きれいなラインを。最初からデザイン性の高いピンヒールなどは無理かも知れないけれど、このくらいのヒールのボリュームから、ハイヒールに慣れていくのもいいかも知れません。まずは使いやすいブラックから。筋肉がついて慣れてきたら、是非おでかけに。
シューズはこの3㎝が女性の姿勢を変える
ふくらはぎの筋肉がきゅっと上に上がるようなハイヒールを続けて紹介させていただきましたが、最後にもう一足。極端な姿勢の変化はないけれど、やはりフラットシューズより足がきれいに見えると言われる、3㎝ヒールです。アウトソールが一体化して、かかと部分は中から持ちあげているいわゆる「インヒール」なので、ヒールが高いシューズの女性らしい印象が、少しスポーティに、カジュアルに寄っています。
独自に開発された3Dインソールと、3本のゴム製ストラップが足にフィット。横から見るとわかる上がったつま先や弾力を持たせた足首部分も、歩きやすさ、履き心地の良さを助けてくれそうですよね。職人が手作業でシワ加工を施したレザーは、やさしい色合いが素敵です。
今回はこのあたりで...。皆さまの今の気分に合うシューズはありましたか?
「日本革市」Webサイトを開いていただき、左上のほうに「ジャパンレザーアイテム」というコンテンツがあります。そこからさらに「カテゴリーから探す」をクリック、「シューズ」のアイコンに進んでいただけると、今回ご紹介できなかった靴メーカーさんの製品も見ていただけるので是非。「日本革市」の会場でご試着いただけるのは少し先ですが、各メーカーサイトに行くとショップ情報やイベント情報も載っておりますので、お時間のある時にご覧ください。
私の足は幅が広いのに踵が極端に小さく、合う靴がなかなかなくて諦めて、20年程色々我慢していたのですが、数年前から2つ、ご贔屓にさせていただいている靴メーカーさんがあります。特にハイヒールで足に合う靴を履くと、姿勢がよくなり、胸が開いて呼吸が楽になるほど!とても驚きました。それから、私でも履けるハイヒールがあるんだ!と嬉しくて、「内転筋」のトレーニングを始めたほど。内転筋を鍛えると、体幹が安定し、ハイヒールできれいに歩けるようになるんですって。バレリーナが特に使う筋肉だそうです。なるほどね...。
靴は体調を左右するので、おしゃれも大事ですがまず足に合うものを選ぶのが一番。日本人の足の形に合わせた、日本製の本革シューズ。皆さまにも、長くお付き合いできる「ここの靴!」という出会いがありますように。
次回の5/13(金)の革市通信はスマホポシェットなどの「ミニバッグ特集」です。
それでは、また。
文/鎌倉泰子