
スマホ決済、お財布の小型化、ファッションのシンプル化、アドレスホッパー、ノマドワーカー(既にもう聞かなくなりましたね、これは)...。こうして考えると、「バッグ以外の本革製品」達の置かれている環境の変化の目まぐるしさと言ったら!「日本革市」などで皆さまの革製品選びにご一緒させていただいていると、本当に色々なライフスタイルと決済システムの多様性がアイテムを細分化しているのだな、と感じます。
そんな中でも、実はキャッシュレスになるかなり前からあり、防災意識の高まりと共に広まって定番になったアイテムが、この「お財布ショルダー」。通帳が入れられることができるし、財布のような大きさのミニバッグに見えて、内装のポケットも充実していてカードや小銭が整理できる、というものです。そして、更にスマートフォンが入るようなマチ、ですね。それ自体がお財布の機能があり、荷物が多い時でもすぐ出したいものだけまとめておける、貴重品はわかりやすく整理してすぐにお出かけできる、というところが人気の理由です。
今回はそんな「お財布ショルダー」と、お気に入りのお財布は既にお持ちのかたのための「ミニバッグ」をご紹介致します。
お財布ショルダーの機能にがま口で可愛さをプラス
開けてみて思わず「おおぉっ!」と声を出してしまったほどの充実した内装です。12枚分のカード入れ、小銭入れを挟むように、お札やレシートを整理できるポケットが2つ、その他にフリーポケットが2ヵ所あります。もしかしたら、お金やカードよりも出し入れする頻度が高いスマートフォンを、がま口のポケットに入れるんですね。充実した機能に加え、大人の可愛さも感じられる、ちょっと目をひく本革お財布ショルダーです。カジュアルなワンピースや、デニムでもジャケットを合わせたきれいめスタイルに似合いそう。



(メーカー:株式会社 ふく江)
タンニンなめしの姫路産シュリンクレザーを使用。形崩れしにくいコシと弾力があり、キズが目立ちにくい質感です。使っていくうちにツヤが出てくる、本革らしい経年変化が楽しむことができます。
毎日使うバッグだから、おしゃれなカラーコンビネーションと耐キズ仕様
縦横のバランスに特徴があるこちら。高さがあるところがかわいいですよね。通帳はもちろんですが、「お薬手帳」が入るのが好評なんですって。この深さがあっても、カードは縦に入れるので取り出しやすそうです。
独自に開発された軽くて耐水性がある牛革「ウォーターリンクレザー」に型押しをした素材で、キズや汚れが目立ちにくいのも毎日使うにはありがたいところ。更に、内装の革も耐水性があるヌバックですので、その起毛した柔らかさはケース無しのタブレットを守ってくれますし、肌触りも格別です。外側と違う色の組み合わせもきれいな8色展開です。

(メーカー:株式会社 リーブス)
姫路産シュリンクレザーの風合いを活かしたナチュラルな雰囲気のミニバッグ
姫路産の、弾力のあるシュリンクレザーを「袋縫い」でふんわり仕上げたミニバッグ。真鍮色のファスナーや裏地の質感、控え目に捺された工具のエンボスなど、細部までナチュラルなイメージへのこだわりが感じられます。バックルを使っていないショルダーストラップは、結び目で長さを調整します。
こちらはお財布というほど内装は細かく分かれてはおらず、横幅26㎝なのでたいていの長財布が「ストレス無く出し入れできる幅」です。一般的なラウンドファスナー長財布の高さが9㎝から10㎝と考えると、こちらのミニバッグの高さ15㎝は、無駄のない大きさですね。内側のポケット2つと、外側のファスナー付きポケット、背面のICカード用のポケットで、小さなものもきちんと整理できます。


(メーカー:株式会社 ふく江)
名前は「ウォーキングポシェット」。でもお仕事の時に便利そう!
「日本革市」の会場でも、人気があるこちら。製品名は「ウォーキングポシェット」というのですが、お休みの時のお供だけではなく、立ち仕事、セールスのお仕事をされているかたに選ばれているんですって。私もそうだから、便利な理由がわかります。
特に良いと思ったのは、この端にある縦長のポケット。ボールペンです、ボールペンー!すぐ使えるように、縦にして持っていたいので、バッグにひっかけるようにしていたり、ジャケットやパンツのポケットに入れたりするご経験のあるかたは多いと思います。こちらのミニバッグだと、一番使うペンだけ場所を決めて縦に入れておける、というのが、スマートでとても使いやすそうです。ハサミやカッターを入れたい、というかたもいらっしゃるかも知れませんね。あとは、メモやその他文房具を両面の3つのポケットとバッグの中へ。裏地が明るい色なので、細かいものも見やすいのがいいですよね。私だったら、中の小さいポケットに印鑑とスタッフカードを入れたいです。
使いやすいブラックの他に、抜け感がでるホワイト、落ち着いた印象のココア、少し可愛さもあるプラム、の4色展開です。

(メーカー:エールック株式会社)
縦長で、がま口にもう1アクションの変わり種ミニバッグ
最後に、ちょっと面白い形のミニバッグをひとつ。がま口、口金式のアイテムの魅力には、クラシックな印象であること以外に、大きく開いて中が見やすいということがあります。お荷物が多くて手がふさがっていても、片手で開けるので使いやすいですよね。そこに更にスナップボタンをつけてアレンジしたデザイン。防犯面にも一役買ってくれるはずです。
このメーカーの特徴のひとつでもある、華やかなジャガード織りの裏地も素敵。外側、ショルダーストラップは、さらっとした触り心地の軽量ソフトレザーを使っています。

(メーカー:有限会社 中澤)
「日本革市」のWebサイト内のコンテンツ「ジャパンレザーアイテム」には、ほぼ毎週金曜日に新しい製品が掲載されています。この後も、各メーカーのアイデアやタンナーの得意技を活かしたこだわりの製品を、アイテムごとにご紹介できればいいな、と思っています。お財布の機能はないけれど、それに代わるスマホの為の極小バッグや、バッグやウェストにつけるポケットなんていうのもあるんですよ。またそれはどこかで改めて。夏前には、「日本革市」のイベントも始まりますので、実際のお品物も見ていただけるかも知れません。楽しみにしていてくださいね。「日本革市」の開催情報はこちらから。
次回の6/17(金)の革市通信は「撥水・防水レザー特集」です。
それでは、また。
文/鎌倉泰子