
フレッシャーズとしての入社や、キャリアアップする異動などに伴い、名刺入れをお探しのかたが増えるこの3月、4月。同じく毎日携帯するお財布以上に人目に触れる機会が多く、仕事ができる社会人、信頼されるリーダーという立場を考えると、ちょっと慎重になるべきアイテムとも言えます。いや、先輩ぶって脅し口調になんかなっていませんよ、私! 今日は皆さまの名刺入れ選びのお手伝いをさせていただくつもりです。
「選び甲斐があるアイテム」と言いましょうか、名刺入れ。素材も機能も色々ありますので、幾つかご紹介させていただきます。
まずはフレッシャーズの皆さまへ 鉄板カラー「ブルー」とそのほか
ブルーは清潔感があって、明るくポジティブな雰囲気。これは、男性女性に関わらず抱く印象なのではないでしょうか?晴れて社会人になる方々にぴったりのお色です。そして、右下の「アンカー」のワンポイントが、社会という荒波に出航する...、ってやめときます。とにかく、よい印象しかないブルー系。初めての名刺入れ選びに困った時、職種やシーンに関わらず安心して持てるお色です。
キズが目立ちにくいエンボス加工をしてあっても、本革の経年変化も楽しめる「コンビネーションなめし」を施した牛革を使っているので、「My First Real Leather」としてもお勧め。

内装を見てみましょう。
マチは厚みが出にくい「ササマチ」仕様ですが、40枚程は入る容量があります。ポケットが4つあるので、お渡しする名刺、いただいた名刺の他、ちょっとしたメモ等も入れられるポケットがあるのでとても使いやすいデザイン。内装の革は、外側の革と同系色にしてあるので、上品ですよね。フラップの緩やかなカーブも、ただシンプルなだけじゃないという抜け感、余裕を感じさせてくれます。
ニュアンスカラー、ベーシックカラーを含む8色展開。女性にも男性にも使っていただけるシリーズです。個人的には、この「SHADE」という色が、奥ゆかしさと個性があって好きです。

(メーカー:株式会社 喜市)
チームも相棒も、唯一無二の仲間と共に
プロジェクトで成功を収め、新しい仕事を任されたり、チームが大きくなったりしたタイミングで、社会人になって2個目の名刺入れにお買い換え、というかたもいらっしゃるでしょう。そうすると、もう少しその方のパーソナリティや過ごした「時間」が表れるような名刺入れを使うのもよいのではないでしょうか?
こちらはオリジナルで染め上げたコードバンと、飴色にエイジングする牛ヌメ革を組み合わせた名刺入れ。どちらも、キズ、ツヤ、深みを増す色など、本革の経年変化を存分に楽しめる素材です。ビジネスシーンに欠かせないブルー、ブラック、少しカジュアルな印象のキャメルもご用意していますが、チームをまとめ、お忙しく活躍するかたには「安心」「調和」「癒し」を表す「グリーン」はいかがでしょうか。

(メーカー:株式会社 猪瀬)
こちらは「通しマチ」というマチの作りで、先に紹介させていただいた「ササマチ」よりもさらに収納力がある作り。展示会に関わるバイヤーや営業職、管理職のかたなど、1日のうちに大量に名刺交換をされるシチュエーションがあるかたに使っていただきたい作りです。フラップの部分に、スライドさせるように名刺を挟めるスペースがあるので、今日中に必ず連絡をしなければいけない名刺などを、すぐに目につく状態で保管ができるのがポイントです。これ、すっごい良い機能!
さてさて、もう少し柔軟性や遊び心が求められる職種のかたには、何をお勧めしましょうか...。
華と個性を名乗る前にアピール!
こちらは特に女性にお持ちいただきたい1つ。ポケットは2ヶ所、普通の名刺サイズでしたら問題ないシンプルな作りですが、縦横のバランスが少し細長く持ちやすい大きさです。
型押しならではのダイナミックなクロコダイルのエンボスに、ちゅるんっ!とキラキラのエナメル仕上げ。大胆で華やかな印象です。クロコダイル柄という高級感に、上品な雰囲気とかわいらしさが相まって、名刺をお渡しする人に、何か面白いこと、斬新なアイデアを出してくれそう!と思っていただけるかも知れません。「その名刺入れ、素敵ですね!」とお話も弾んで、コミュニケーションが生まれそう。
ピンクやグリーンもあって全部で4色展開。お財布類もお揃いで持つのもいいですね。カード入れとしてもよいのではないでしょうか。

(メーカー:株式会社 高屋)
誰をも安心させる包容力、安定感を印象づけるならこの2つ
ちょっと目を引く色やデザインをご紹介してきましたが、最後にまとめて2つ。
ダークカラーのスーツをお召しになるビジネススタイルを邪魔しない、シンプルかつ機能的なデザインで、時間をかけて付き合うことで魅力を増してくるようなこちら。「3年後」の経年変化がメーカーのサイトで紹介されている、エイジングが楽しみなオイルレザーで、長く使っていただくために特にコバの仕上げにこだわったシンプルな名刺入れです。中に5つ、背面にもICカード等が入れられるポケットがついていて、名刺は60枚以上が入ります。
名入れもしているそうですので、贈り物にも良いですね。

(メーカー:株式会社 リーブス)
シンプルなものをもう1つ。こちらは30枚程が入れられ、ポケットは3ヶ所。ブラックやダークブラウンのようなベーシックカラーは、素材そのものの質感に目が行きますよね。こちらもそんなひとつ。この毛穴の感じは牛革ではないですし、かといって小さな穴が3つ規則的に並ぶ豚革ともちょっと違い、柄のようにも見えます。

これ、資源の有効活用を目的としたプロジェクトから生まれた、「純国産猪革」なんですよ。耐水性が高く摩擦にも強い素材で、アウトドアギアにも使われることもあるそうです。環境負荷を減らすことに配慮し、その基準を満たした本革のみが認証される「日本エコレザー」の認証を受けています。
落ち着いた印象だけれど、他とは少し違う何かがある。そんな大人の為の、シンプルな名刺入れです。神話に出てくる勝利の象徴「三叉槍」のようなワンポイントが、ビジネスを味方してくれるといいですね。

(メーカー:ハタブネコンサルティング)
わざわざ別で持つ程の出番はないけれど、一応持っておく名刺に
名刺交換をする回数は多くないのだけれど、一応持ってはおきたい時、どこに入れていますか?私、以前はスマートフォンケースのポケットに入れていたのですが、「ちょっとのぞいているところ」がいつの間にか変色しているんですよね。ビジネスシーンじゃないとしても、とてもこれでは渡せないな、となりました。やはりちゃんと収納できなければ。

(メーカー:カジノレザーワークス)
こちらは、ファスナー付きのポケットがあって鍵や小銭を入れられるし、ポケットに折ったお札やカードを入れられるので、名刺入れサイズではありますがほぼお財布ですね。スナップがついているので、バッグの中で開いてしまうことがないのもいいな、と思いました。名刺をたくさん持ち歩く必要がなく、お仕事も比較的カジュアルな装いでOKの職場なら、こんなマルチケースを使うのもアリなのではないでしょうか。
素材は鹿革。ふわっとした弾力が吸いつくような質感に変わってくる独特のエイジングが特徴です。お色も色々あります。
初めて持つ名刺入れ探し、お買い換えの時期に、今回は6つの名刺入れをご紹介させていただきました。レザーの名刺入れを選ぶポイントはこの2つ。
①色と質感の持つ印象
②差し上げること、いただくことのどちらが多いか
①については、マットな質感のものはどちらかというとカジュアルな印象。エナメルなどは華やかなイメージがあるので、全てではないですが、飲食業など暗い室内で名刺交換をするお仕事、クリエイティヴ職向け、「私の上はもういない!」くらいの管理職のかた向けかもしれません。適度なツヤがあってエンボス加工をしてあるものなどは、キズ等も目立ちにくくお手入れも楽なので、どんな環境でも使いやすそうですよね。②は、ポケットは2ヵ所が必須ではありますが、ジャケットのポケットに入れる事が多いのであれば、底部に向かって薄くなっていく「ササマチ」タイプがお勧めです。角がお洋服にひっかかることが少なく、ストレスなく携帯していただけると思います。
自分らしさを表現し、一緒に成長していく本革製の名刺入れ。新スタートとなるであろう4月はまだ先ですので、ごゆっくりお選びください。「日本革市」Webサイト内の「ジャパンレザーアイテム」が皆さまのお役にたてるよう、そして春を待つ皆さまが良いスタートがきれるように願っております。私も良い記事、お品物を皆さまにお届けできるように頑張ります。
一時「桜色で、キラキラ箔加工で、がま口」に名刺を入れていたことがあったんですよね。まぁアパレル業界におりましたので、トリプル揃うとなんだか不真面目!とまでは言いませんが、後で聞きましたら周りのかたはかなりびっくりしていたそうです。みんなで名刺交換をしているタイミングで、がま口をひねる私のポーズに「え!今ここで何出すの?!」と。初対面ではないお取引先でさえ「飴でもくれるの?」「さっきのランチはおごりだからいりませんよ。」と。笑 30代でした...。
名刺入れ選び、大事ですね。
次回4/8(金)の革市通信は春のシューズ特集です。
それでは、また。
文/鎌倉泰子