気持ちを左右する「色の力」。お好きな色を身に着けるのはもちろん、ファッショントレンドの「今年の色」だけではなく「ラッキーカラー」がわかると、「味方がほしい時」に心強いですよね。各国の占星術や学問によって違ったり、風水などでは「お財布に限って」という条件もあったりするようですが、いつもは選ばない色も、「今年」に乗っかって選んでみると、新しい発見や高揚感で、楽しい1年のスタートがきれそう。
今回ご紹介する3色「シルバー」「ゴールド」「レッド」。3色ともクールに見えたり、華やかに見えたりする多面性のある色です。でも革市通信でご注目いただきたいのは、色が表現する「質感」。
例えば、シルバーとゴールド。同じく本革をベースにしても、顔料を上から吹いたり、風合いを均一に仕上げた「フィルム」を貼ったりすると、人工的な美しさがある代わりに個体差はない素材となりますが、このあとご紹介するシルバーとゴールドは「本革らしさ」「ひと工夫されて生まれる輝き」がある4つ。タンナーとメーカーが力を合わせた加工方法に是非ご注目ください。
「日本革市」でシルバーと言えばもはやこれ?!
「日本革市」でも、毎年集めてコレクションするファンのかたも多い「ANNAK(アナック)」のシルバー。優しい色味が人気のシャンパンゴールドとは違い、少しピンクがかった、赤味のあるシルバーです。オリジナルで開発された素材は、使い始めが「1点物」のスタート地点。長く使っていくうちに出てくるデニムのような「当たり」や摩擦によって、ベースのヌメ革が見えて濃淡が生まれます。持つ人それぞれの「オリジナル」が育てられる、愛着のわくトートバッグです。
お財布やポーチなど、アイテム展開も多いコレクションです。
引っ越しシーズンのギフトにも マルチユースのキラキラケース
ANNAKのシルバーとは違い、青味のあるクールなシルバー。縦横にラインは入ったサークルが並び、上品な乱反射がきれいな素材です。マチは厚めに2㎝とった、「n.number(エヌナンバー)」のマルチキーケースです。よくある「鍵」形のメタル製のキーを付けられるキーリングがついていて、他にもカードタイプや大きめのスマートキーに対応できる大きさと内装。折ったお札を入れておけば、万が一の忘れ物にも備えられます。外側にもリングがついているので、ストラップなどを付けるとまた使い道が広がりそうです。
実はこちら、日本の本革「四大産地」を廻ってできたアイテム。上品な輝きの箔加工と型押し、確かな縫製が魅力の美しいマルチケースです。
長財布が入るミニバッグ
性別を問わず、小さいバッグが流行したことに伴って小さいお財布の選択肢が増えました。でも、しばらく小さいお財布使ってから「やっぱり大きいお財布のほうが使いやすかったかも...」と戻ってこられるかたも少なくない印象のお財布界隈。こちらのバッグは横幅が25㎝、たいていの長財布が無理なく入る大きさで、マチは5㎝あり、長財布と何か、が重なっても大丈夫なサイズです。外側にもポケットがあるので、頻繁に出し入れするスマートフォンなどはそこに入れるのもいいですよね。
アクセントになるゴールド、シルバーの他に、ベーシックなカラーも揃えた多色展開。男性にもお使いいただけるカジュアルなミニバッグです。軽くて柔らかい馬革製です。
イイコトが無い気がしない、辰年のパイソン×ゴールド!
2024年前半、最強開運日は1月1日と言われていましたので、昨年のうちのお財布を新調したかたもいらっしゃいますよね。でも、そうでないかたは次に3つの吉日が重なる3月15㈰に向けて下見していらっしゃるかも?
ということで、お財布も1つご紹介させてください。
和装小物を得意としていた「株式会社 高屋」らしい、軽さ、薄さを追求した素材選びと使いやすいデザイン。マチはなく、コインは外側のポケット入れるタイプのすっきりした「束入れ」です。今年特に注目したいのがこの素材。本物の蛇革のエイジングはそのままに、華美ではなく「上品な華やかさ」を表現した箔加工。
よく見ると「ドット柄」になっているんです。詳しくは「製品の詳細」をご覧ください。
辰年に選ぶ「蛇革」「ゴールド」は、きっといいことありますよね!辰年じゃなくても持っていたらイイコトありそうだもん。
思い切って選ぶレッド 何故かというと...
2024年のラッキーカラー、もう1色は「レッド」です。青味がかった赤、黄味がかった赤の2色をご用意しましたが、どちらも普段使いしやすい質感に仕上げてあります。
発色がよい個性的な色のアイテムは、小さな小物で選ぶとバッグの中でも見つけやすいのでお勧めですが、思い切ってバックパック選ぶのはどうでしょう。
何故かと言うと、「自分じゃほとんど見えないから!」。本当です、これ、「日本革市」のご来場者様に教えていただいたんです。素敵な色だけど、普段持たない赤には抵抗がある、と最初はおっしゃっていたのですが、いざ背負って鏡に向かうと、自分から見えるのは肩から脇へ伸びるショルダーストラップだけ...。A4サイズの赤いバックパック、と考えると目立つアイテムと思いがちですが、ショルダーストラップの数センチ幅だけなら、ウェアの色に合わせてコーディネイトのアクセントになります。「そのうち慣れるし!(笑)」とおっしゃってお選びいただけました。
こちらのアイテムは全7色。アイボリーは「真っ白」とは違って秋冬のダークカラーのウェアにも合わせやすい色ですし、ブルーグレイもシックできれいな色です。
使いやすいのは横長ショルダー
大きさの大小はあっても、「日本革市」会場で安定的な人気があるのはこの形。
・斜めがけができて
・長財布が入って
・外側にポケットがあって
・開口部はファスナー
...です。その中でもこちらはちょっとマチが厚め、のグループに入るかも知れませんね。350mlのペットボトルや折りたたみ傘を入れたりもできそうです。お出かけ気分が楽しくなる、明るめのレッドです。
素材は牛革で、和紙のような細かい「シワ」が出るように加工したオリジナル。キズや汚れが目立たないながらも革特有の風合いの変化も楽しめます。
2024年のラッキーカラー「シルバー」「ゴールド」そして「レッド」。質感、色味の微妙な違いがあり、本革がまだまだ可能性のある素材であることがわかります。先ほどご紹介したn.numberのキーケースやUniteのミニショルダーは、お手入れをあまりせずに比較的きれいな状態が保てる仕上げですし、トートや束入れは使うかたが手にしたところからがレザーのスタート地点。お手入れするしないに関わらず、経年変化を楽しめます。革製品をお求めになる時に、「ツヤが出てきますよ」「色が濃くなってきますよ」というようなご案内を受けることは多いと思いますが、時間の経過と共にタンニン鞣し(なめし)の革の中には染色剤とタンニンが反応して色が明るくなってくるものもありますし、お手入れのし過ぎでツヤが無くなってしまう、というようなこともあるんです。「本革」は生き物。お選びになる時は、どういう手入れをするとどういうエイジングをするか、という「セット」での情報が大事になってくると思います。
...って今日何の話だったっけ?ラッキーカラーのご紹介で「色の力」の話かと思いきや、すみませんね、革談義で。だって「日本革市」ですもん。
革に限らず、素材の高騰と多様化、イベント化する消費行動、で、「モノ作り」の現場は過渡期にある模様。今年もどんなレザーアイテムが発表され、「日本革市」で皆さまに選ばれるのかが楽しみです。2024年も「日本革市」をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、また。
次回の革市通信は2/16(金) 吉日を1ヵ月後に控えたお財布の特集です。
お楽しみに。
文/鎌倉泰子