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革の基礎知識Basic Knowledge of Leather

2. 皮の構造と成分

動物の皮は、外部からの刺激や危害から体を守るため、繊維で織ったような緻密な美しさを持ち、驚くほど精巧で合理的な構造をしています。

皮の構造は動物の種類によって異なりますが、代表的な皮である牛皮の断面構造は下図のとおりで、表皮と真皮からなります。革として利用されるのは、このうちの真皮の部分。真皮はさらに乳頭層と網状層に分かれます。

  1. 表皮(ひょうひ)

    皮の一番外側の部分。なめして革になる際は石灰漬け工程で取り除かれる。

  2. 膠原繊維束(こうげんせんいそく)

    コラーゲンからなる細かい繊維が合流したもの。引く力が強く、皮に柔軟性を与える。

  3. 皮下組織(ひかそしき)

    真皮とその下の筋膜とをつなぐ結合組織の部分。真皮と比較すると繊維の配列が粗め。

  4. 乳頭層(にゅうとうそう)

    膠原繊維束が緻密に絡み合った部分。
    革では乳頭層の表面を「銀面」と呼び、銀面の良し悪しは革の価値に大きく影響する。

  5. 網状層(もうじょうそう)

    膠原繊維束がまとまってさらに太い繊維束となり、ゆるやかに絡み合っている部分。
    革では柔らかい質感と風合いを出す源となる。

  6. 真皮(しんぴ)

    表皮の下、乳頭層と網状層を合わせた部分。

また、動物の皮の成分は、主に次の3つのタンパク質からできています。

コラーゲン

皮の主成分で、タンパク質からなる繊維のこと。皮のほか骨や歯、腱、血管、筋肉などあらゆる組織に分布している。皮をなめす際になめし剤と結合して革をつくる。

エラスチン

弾性繊維を構成するタンパク質。乳頭層、血管の周囲、皮下組織などに分布する。

ケラチン

毛、表皮、ツメ、角、蹄などを構成するタンパク質。

参考文献:一般社団法人 日本皮革産業連合会 『革のプロが教える、レザーの基本講座』

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