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革市通信KAWAICHI COLUMN

ちょっといいモノを毎日に2024年09月20日

秋の小旅行...だけでなく、「きれいめハンズフリー」なら本革バックパック

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体感温度が変わるワケではないのに、夏になると荷物を少なくしたい気分になるのか、結果クラッチバッグや極小ショルダーバッグが手に取られやすくなるのって、なんなんだろ...と思うのはメンズのレザーアイテム界隈。女性は...というか私は普段から服装自由な勤務スタイルなので、バッグはウェアに合わせて変えるけれど、ジャケット+パンツやスーツがお仕事着のかたは、上着を脱ぐ季節は解放感が出て、より身軽になりたい心理、なのかしら。うーん...。夏はバックパックだとちょっと背中が暑いし...と、お休みするかたもいらっしゃいますよね。でも!

スペシャリティショップ出身の鎌倉泰子さんが、日本中から集めた本革製品の中から、バイヤー目線、ユーザー目線でレザーアイテムをご紹介します。

今年のシルバーウィークは3連休が2回。間をくっつけて大型連休にできなくても、気持ちのよいこの季節なら、1泊旅行でも十分リフレッシュできますよね。
2泊、3泊同じところに泊ることができるなら、大きな荷物をホテルに置いて出かけることができるけれど、1泊の時はお荷物を持って歩かなければいけなくなります。そうなると「とりあえず」ではなく、お気に入りのファッションに合わせて、バッグもきちんと選びたいですよね。定番アイテムでありながら、どの地域での「日本革市」でも皆さまに選ばれ続けているのが、「大きめ本革バックパック」。意外と初めて、9月の革市通信はバックパックだけのご紹介です。

カジュアル&マニッシュ 革好きさんに愛されるこの質感

パーツが選べて、フラップが特徴的なメッセンジャーバッグが、「日本革市」会場ではディスプレイも目立って人気なのですが、バックパックもあるんですよ、「ORZO(オルツォ)」です。メッセンジャーのデザインを汲み、曲線とパーツ使いがかっこいいこちら。

合同会社 エイチ

(メーカー:合同会社 エイチ

オイルレザーをたっぷりと使い、ある程度の重量感はありますが、そこはあとに得られるエイジングと引き換え。重力とオーナーの使い方に反応し、シワやツヤが出てくるのが楽しみになるはずです。同じデザインでも、ダークカラーのほうがシックな印象。ベースとパーツのそれぞれの色が選べるセミオーダーですので、スタイルに合わせてどうぞ。

この革にこの技術 会社の威信をかけた1つ

創業から70年以上経ち、OEMでの経験と高め続けてきた技術で作り上げるオリジナルブランド「Flathority( フラソリティ)」。今では作ることができる職人さんがかなり限られているとのこと。立体裁断が成す曲線が他にはないシルエットを作っています。サイドポケットや横から見た時のシルエットが独特です。私には大きいので持ってはいないんですけど、プロダクトとしてはもはや数年の片想い!笑 個人的には、ショルダーストラップこそご注目いただきたいところです。肩の筋肉から胸に沿うラインのフィット感は格別。ご自分の身体の厚みや身長に合わせて、しっかりと長さを調整してお使いください。ビジネススタイルにも、ストリートスタイルにも合う不思議な佇まい。
経年変化に特に個性があり、お手入れのし甲斐がある、オイリーなキップレザー。革好きさんにお勧めです。

株式会社 猪瀬

(メーカー:株式会社 猪瀬

女性にも選びやすい大きさもあり、2種類のサイズ展開、色は3色です。

鹿革、総手縫いの2wayと言えば...

これ、ちょっと紹介しすぎかな...、なんて。「日本革市」どの開催地でも毎回注目され続けているKAZINOの2wayバックパック。無理なくショルダーバッグにトランスフォームします。ミシンでたたかず、ふんわりとした鹿革の質感を十分に活かせるのがこの総手縫い。癒やされる手触りです。総革でこの軽さ、というのも愛され続ける理由のよう。

株式会社 KAZINO leather works

(メーカー:株式会社 KAZINO leather works

素材からまず注目されるアイテム

日本革市会場では「素材展示」を行っているのはご存知ですか?この革が、このアイテムになる、というのを、素材と製品の両方を展示してご説明させていただいています。硬くハリのある牛革が、職人さんの力と技で柔らかいブーツになったり、柔らかい革を芯地とテクニックでカチッとした印象の軽くて使いやすいトートバッグになったり...。
素材の中でも、サラッとした触り心地と繊細な色柄で注目されているのがこちらの素材。くたっとした質感のまま、小ぶりのバックパックになりました。こちらも驚く軽さ。ブラックやブラウン系のベーシックカラーも少しムラのあるようなニュアンスを加えた繊細な印象に仕上げてあります。
ショルダーストラップの長さでかなり印象が変わりますのでこちらは要検討。大きさ違い、素材違いもあります。マットな質感でシンプルなブラックは、ファスナーのスライダーのシルバーがアクセントになってかっこいい印象です。

chi.wata

(メーカー:chi.wata

シンプルな本革に「質感」がアクセント

株式会社 三竹産業

(メーカー:株式会社 三竹産業

「日本革市」会場では、ブランドのディレクターさんが、ラフめなスーツに合わせてご来場者様に見せているスタイルが好き!シンプルなデザインですが、ゴートレザー(山羊革)独特のシボとツヤが個性をプラスしています。特にベーシックカラーの黒は、細かい凹凸が織りなす「アマンダレザー」の繊細なツヤがわかり、素材にも目がいきます。開口部はスマートなシルエットで、女性の肩幅にも違和感無し。柔らかな質感のワンピーススタイルにも合うはず。新色「シルバー」も発表されました。背面には大きな長財布でも入るポケットがついていて、安全性、機能性も考えられています。

「金具」が見えない、上品なリュック

「チラシを見た」と、お問い合わせが多いのはこのコ。A4が無理なく入る大きさなのに、角を丸く仕上げているので見た目の大きさを感じにくいんです。身長が高くないかたも、バランスよく背負えます。ショルダーストラップのバックルが「針無し」のタイプ。自由に長さを変えられる...ということは、夏場の薄手のウェア、冬場の厚手のダウンウェアにも簡単に対応できます。
暗い色味のコーディネートも増える秋冬にも使いやすい、清川商店の「アイボリー」は個人的な激推し色なのですが、ベリーのようなこっくりレッドも素敵です。カラフルな本体の色を邪魔しないよう、外に見える「金具」極力控えめに。美しい色と丸さが際立つデザインです。

有限会社 清川商店

(メーカー:有限会社 清川商店

お出かけが気落ちのよい季節の、バックパック特集。お付き合いくださってありがとうございます。今回は比較的大きめの6つをご紹介しましたが、日本革市」会場でもWebでも、小振りのバリエーションも多数ご紹介しています。まずは皆さま、普段使っているお財布の大きさがストレスなく出し入れできるかどうか...が最初の検討材料になりますよね。メンズ、レディースに関わらず、なんとなくですけれど、この3年くらいの間に、お財布とバッグの「大きさ」の選択肢がほんとーーーーーーに増えました!お仕事の仕方の多様化、キャシュレス、ジェンダーレス...。色々な要素が組み合わさって、革小物ひとつとっても奥行のある個性を表現できるようになりました。昔(?)は「個性的な人=派手な人」だったけど、今は違います。お財布やバッグの普段使いのものを、自分のために丁寧に選んで、ご機嫌で快適な毎日をお過ごしください!...なんか話大きくなってる?

私も幾つかバックパックを持っていて、選ぶ時に重要視しているのが「ファスナーのカーブ」の角度とベースの素材の硬さのバランスです。ちょっと緩めのカーブで、ある程度ベースの素材のハリがあって、ファスナー周りの始末がしっかりしていたほうが、ファスナー開閉がしやすいんですよね。レザーは使い続けていくと柔らかくなりますが、そうなるとスライダー(ファスナーの引き手)が持ちやすかったり、ファスナー周りの始末がしっかりしていたりすると、ヘタれなくって開閉も楽です。まぁ、そこのチェックにたどり着く前に、デザインやポケットの大きさなどで取捨選択されていくので考えすぎなんですけどね。皆さんのバックパック、決定の「決め手」をいつか教えてくださいね。

次回の10/18(金)の革市通信は、2024年、「日本革市」Webに初登場したブランドのご紹介です!

文/鎌倉泰子

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