素材から作りまでメイドインジャパン。
★ 閲覧したアイテム

革市通信KAWAICHI COLUMN

ちょっといいモノを毎日に2022年12月16日

おでかけする前にまずはお家でごゆっくり
「日本革市」でプレゼント探し

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE
おでかけする前にまずはお家でごゆっくり 「日本革市」でプレゼント探し
スペシャリティストア出身の鎌倉泰子さんが、日本中から集めた本革製品の中から、バイヤー目線、ユーザー目線でレザーアイテムをご紹介します。

「1年って早いものですね」などとは言いたくない!のですが、言います。1年、というより私にとっては「日本革市」のイベントが盛り上がり始める9月から11月の3ヵ月が一瞬で過ぎるのです。各地を廻る出張の合間に、各出展社の新作や人気アイテムの再入荷をチェックしながら、クリスマスに皆さんにご紹介するものを考えていました。

前回の革市通信で、10月末までの人気アイテム上位10点をご紹介しましたが、他にも皆さまの「こんなの探してた!」「持ってたら楽しい!」という、生活を彩るアイテムや、「今使いたい!」というトレンド感のある物など、色々な本革製品がまだまだあります。その中から今回は9つ、クリスマスのギフト、年末年始のおでかけにも便利なアイテムをご紹介します。

2022年の私の最注目アイテム「マイクロバッグ」

海外のコレクションのルックに登場していたのを見て「欲しい!」と思いながら実はまだ持っていないアイテム「マイクロバッグ」。とにかく小さいけれど、あくまでも「斜めがけバッグ」にカテゴライズされていて、ショルダーストラップも、胸元に下がるロングネックレスではなく「バッグ」のようにウエスト部分まで届く長さなのがポイントです。

株式会社 ふく江

(メーカー:株式会社 ふく江

数枚のカードと折ったお札をファスナー付きの本体に入れます。開口部は小さいのですが、よく見てください、少しだけL字に下がっているんです。これで開閉のしやすさ、中の見やすさが全然違うんですよ。コインはがま口の部分へ。ストラップは取り外しができますので、小さなお財布としてバッグの中に入れても使っていただけます。お財布でもない、バッグでもないようなかわいいアイテム。毛付き牛革の部分は柄に個体差があるので、1点物と言ってもいいですね。

プロダクトとしても美しい精巧な作り

株式会社 猪瀬

(メーカー:株式会社 猪瀬

バッグ類の大きさの細分化、小型化とキャシュレス化で、小さなお財布を選ばれるかたも増えていますよね。その一方で、折らずに持ちたいお札やカードを入れる極薄の束入れとたまにしか使わない小銭は分けて、お財布を2つ持つかたもいらっしゃいます。

こちらは、生産できる職人が激減している、馬蹄型のコインケース。見た目はふっくらと仕上がっていますが、正確に裁断、縫製されていて、空気の通り道さえ制限されているような精巧な作り。高い技術に裏付けされたデザインの美しさで、持っていることに喜びが感じられるような一品です。良いものを長く使いたいというかたに、きっと喜んでいただけるはず。「Flathority」のロゴが入った化粧箱入りです。

素材は株式会社 猪瀬宮内産業株式会社が作った「水染めオイルコードバン」。自然の素材感を残した加工も魅力です。

どこに置いてあるのかがわからなくて探せない「おでかけセット」

ポーチ類のコーナーでもなさそうだし、文房具でもなさそう...。どこに行ったら見つかるのかわからないモノってありますよね。それが、これ。本革の御朱印帳入れと、お守りケースです。

日本の三神の一柱である「ツクヨミノミコト」を祀る、長崎県の壱岐島にある「月讀神社(つきよみじんじゃ)」でご祈祷いただいているという、「YUFU」の革小物。色は、壱岐島の美しい自然からインスピレーションを受けたもので、カラフルながら、透明感がある優しい色使いです。

御朱印帳入れはシンプルな作りで、御朱印帳を入れる以外にも使い方は色々ありそう。お守りケースは、長いレザーコードを結べば長さの調節ができます。ナチュラルなヌメ革の経年変化も楽しみです。神社仏閣巡りが共通の趣味、というようなお友達と色違いで、なんて楽しくないですか?

今年、これははずせない 「スマホポシェット」

「おでかけ」というワードが出たら、今年、これを紹介せずにはいられない必須アイテム。「スマホポシェット」「ショルダーポーチ」「ミニサコッシュ」など色々な言い方がありますが、要は、モバイル+α、が入る小さな斜め掛けバッグのこと。3つ続けてご紹介します。

ANNAK(アナック)のこちらは、スナップがとっても留めやすいし、内側に小さなポケットがついていて、直接ICカードを入れてもいいですね。シンプルな作りで、モバイルとミニウォレットが入る大きさです。

株式会社 三竹産業

(メーカー:株式会社 三竹産業

株式会社 三竹産業

(ラッピングはイメージです)

上品なツヤのあるANNAKとはまた全く違う本革の魅力があるのがこの馬革。表現に困る程の独特な手触りで、日本革市の会場では「しっとりさらさらです!」とご来場者様にお伝えし、笑われてしまったことがありました。でも、本当にそうなんだもん。使っていくうちに出てくるツヤが楽しみな素材です。

馬革は牛革と比べると薄い割には強度があるのが特徴ですので、面積の倍の革が必要な「メッシュ」の製法には向いているのかもしれませんね。高級感のあるメッシュでも、上部は断ち切りのままにして、ラフでナチュラルな印象を作っています。縦は22㎝なので、上記のANNAKのものより2㎝深くなり、大体の長財布は入りそう。

株式会社 高屋

(メーカー:株式会社 高屋

一方でこちらはかっちりした印象で、バッグを持つほどではないけれど、手ぶらではスタイルが「締まらない...」という時に。マチをしっかりとり、きれいなコバで仕上げた長方形シルエットは、ジャケット&パンツのマニッシュなスタイルに合うモバイルショルダーです。

株式会社 リーブス

(メーカー:株式会社 リーブス

ショルダーストラップは、自由に長さが変えられる穴無しベルトタイプなので、寒くなる季節のアウターのボリュームを選びません。本革ならではのエイジングが楽しめるオイルレザーを使ったカラフルな6色。ミニマリストの革好きさんにも、お洒落なファッション好きさんにも選ばれているアイテムです。

アウトドアファッションやフェスのスタイルにも合いそうな、オーガニックな雰囲気のものがお好きなかたには「エルク革」のアイテムもおすすめしたいところ。「ミニサコッシュ」として紹介されていて、マチ無しの本体に、レザーコードがついているシンプルなものです。モバイル+αを入れる大きさですが、同素材のキーケースなどをレザーコードに下げて使うかたもいるそうですよ。裏地もついていて、しっかりした作りです。お色は7色。

株式会社 パーリィー

(メーカー:株式会社 パーリィー

小さすぎない小さめ財布

スマホポシェットのお話をしたので、是非こちらを紹介させてください。

普段使いの小さめバッグのためにも、特別なシーンのパーティバッグのためにも、ひとつは持っていたい小さいお財布。ファスナーを引くワンアクションで中が全てわかる、人気のL字ファスナータイプのお財布ですが、ちょっと短め。通常のものが約18㎝~20㎝だとして、こちらの幅は15㎝です。小さくて便利だけど中がぎゅうぎゅう...ではちょっと残念。出し入れの所作も乱さない、余裕をもった大きさです。コインは外側のファスナー付きポケットに入れてもいいですし...、他に何に使いましょうか。お守り?

シンプルセンス

(メーカー:シンプルセンス

製品の詳細はこちら
(ラッピングはイメージです)

毎日使うものだから、気持ちも上向きになって、内側から輝く人になれそう。今年より、来年をもっとよい年に。そんな気持ちで選びたい本革アイテムのひとつです。素材は3種類、お手元が華やぐシルバーとゴールド、コントラストがかっこいいブラック系の3色です。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。今年の革市通信はこれが最終回です。本革製品に「重い」「硬い」「色数が少ない」というイメージをお持ちのかたもいらっしゃいますが、払拭するのが私の使命、なんちゃって。各タンナーメーカーがアイデアと技術を出し合って開発されたレザーを使い、私達のライフスタイル、ファッションを豊かにする製品を届けてくれています。長く続く美しさを愛でる、時間と共に変わる変化を味わう。レザー製品の魅力は多種多様です。食の副産物を使い、環境負荷をできるだけ抑えたエコな素材、「本革」。来年も、素敵なもの、面白いものをご紹介していきますね。
それでは、素敵なクリスマス、良い年末年始をお過ごしください。

これを書いている今は12月の頭。今年は色々あったなぁ。お仕事で言うと、とにかく「小さい本革製品の誕生」が多かった気がします。「小さい〇〇」。小さいコインケースや、小さいバッグ。「ミニ財布」の類も、「お札、カード、小銭も問題なく入ります」ではなく、使うかたの優先順位やスタイルに合わせた製品の開発が強く求められるようになった気がします。小銭はほんの少しでいいけど、カードは多い!とか、キャッシュレスへの移行はわかるけど、束にしてお札はたくさん入れたい、とか。あとは、アクセサリーを作っているかたがたが数年以上かけてブランドを育て、細かい作業やアイデアを紡いで、本革の可能性を広げてきてくれている気もします。これはいつかご紹介したいと思っているトピックです。
来年もどうぞよろしくお願いします!

文/鎌倉泰子

このページをSNSでシェア!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE